Works(作品情報)

黄金背景テンペラ画とは?

フラアンジェリコ 『受胎告知』

テンペラの語源はラテン語の「Temperare 混ぜ合わせる」からきています。
13世紀〜15世紀頃、主にヨーロッパで行われた絵画技法で宗教画を主題としていました。
15世紀頃までのイタリアでは漆喰の上に描くアフレスコと呼ばれる壁画と持ち運びができる板絵のテンペラ画で絵が制作されていました。
板絵はボローニャ石膏(イタリア産天然ニ水石膏)を兎膠(ウサギニカワー兎の皮から採取したゼラチン質のもの。高い接着性がある)で溶いたものを板の上に13〜14層くらいを薄く塗り、自然乾燥させ、完全に乾いたら表面を鋼のパネルで平らになるまで削ります。レリーフなどの装飾を加え金箔を貼ります。乾いたらメノウの石(瑪瑙棒)で箔面を磨きあげ、刻印などで模様をつけたりします。絵の部分は粉末顔料を水と卵の黄身(接着剤・他に膠やアラビアゴムなど)で溶いたもので彩色します。

主な画家にイタリア、フィレンツェで活躍したチマブーエやジオット、フラアンジェリコ、シエナ派のシモーネマルティーニ、ロレンツェッティ、1400年後半にはカルロクリベッリなどが多くの作品を残しています。