2008年11月3日(月)〜9日(日)
10:00〜16:00(※初日の3日は13時〜となりますのでご注意ください)
場所/聖路加画廊(聖路加病院内1階)・築地
久美子は金地テンペラ技法で天使を描いた作品を中心に。今日子はクロアチア、スロベニア、オランダ、ベルギーなどを旅した際の写真を中心に展示致します。病院内の壁面での展示になります。お花などのお祝いはご遠慮頂いております。都合により画廊には不在が多く、大変ご無礼してしまいます。もしも、お近くに来るようなことがありましたらお立ち寄り下さいませ。 |
黄金背景テンペラ画は14世紀頃から16世紀頃にかけて、ヨーロッパで行われた古典技法です。
板の上にボローニャ石膏を10層以上薄く塗り重ね、乾いたら平らに削り、背景に金箔を張り瑪瑙で磨きます。卵黄にお酢などを混ぜたものを溶剤として、水練りした顔料で描きます。
絵画が主に祭壇画や宗教画であった時代、戦や疫病や飢饉などがあり常に人々は「生死」を意識していたと思います。現代はまた違った環境の中、漠然とした危機感や不安を抱え過ごしています。今の日本に生きる一人の女性として、中世古典技法をもとに制作し、自分のなかから自然に出てくる日本的感覚と想いを、描いていきたいと願っております。
背景に金や銀の箔を用いています。金属の輝き、昼と夜の光の違いや視点の位置によっても変化する表情に永遠の時間とどこまでも続く「宇宙(そら)」のような空間を感じています。箔という古来の画材で、流れていく時間、くり返される命をとりまく空気を表現する術となればと願っております。作品が平面絵画であると共に一つの「物」としての存在感を持ち、観る人にとっての何かの隙間を埋める欠片となる事を願って制作しました。